日本の北限と南限の花が咲き乱れる、「花の楽園」佐渡。
佐渡は北緯38度線上に位置し、この38度線は植生分布の寒地(北方)系と暖地(南方)系の境界とされています。暖地(南方)系植物の北限種として小佐渡の海岸や大佐渡の南東海岸でシイ(スダジイ)、タブ林等がみられます。寒地(北方)系植物の南限種としてエゾノコギリソウなどがみられ、北方系と南方系の植物が同じ地域に自生していることが佐渡の特徴です。
大野亀一面に咲く数十万本ものトビシマカンゾウ
何百年もの歳月をかけて複雑に変形した天然スギ
また佐渡は離島のため、とりまく環境に影響されやすく、大佐渡山地は強烈な北からの季節風の影響を受けて、標高が1,000m前後の山頂付近は高山帯的、亜高山帯的な植生(ミズナラ・ブナ・ミヤマナラ・ハクサンシャクナゲ等)が形成されています。
佐渡の植物相は約1,700種と多く、暖地、寒地、高山、山地、雪国、海岸、人里と七つの植物群に分けられ、それぞれの地域で豊かな植物相が形成されています。
自然環境保全基礎調査・特定植物群落
新潟県自然環境情報図(第5回自然環境保全基礎調査・平成12年環境庁)による佐渡の貴重な植物として、32ヶ所の特定植物群落が選定されています。
番号 |
件 名 |
選定基準 |
1 |
大野亀のトビシマカンゾウ群落 |
B・E |
2 |
北小浦の湿生植物群落 |
D |
3 |
熊野神社のタブ林 |
A・G |
4 |
小杉立の天然スギ |
A |
5 |
大倉のアスナロ林 |
F |
6 |
和木川のサワグルミ林 |
A |
7 |
ドンデン山のハクサンシャクナゲ群落 |
E・G |
8 |
佐渡のヤマトグサ |
B |
9 |
杉池のコナラ林 |
A |
10 |
豊岡のビワ林 |
B |
11 |
長谷寺のウラジロガシ林 |
A・G |
12 |
赤泊のウラジロガシ林 |
A |
13 |
北岳のブナ林 |
A |
14 |
達者のカシワ |
A |
15 |
乙和池の湿生植物群落 |
D・H |
16 |
小川のマルバシャリンバイ群落 |
B・H |
番号 |
件 名 |
選定基準 |
17 |
相川の塩湿地植物群落 |
D |
18 |
相川のスタジイ林 |
A |
19 |
大安寺のスタジイ林 |
A |
20 |
尾平神社のスタジイ林 |
A・G |
21 |
二見神社のスタジイ林 |
A・G |
22 |
西三川のヤブツバキ林 |
E・G |
23 |
西三川のアカガシ林 |
A |
24 |
素浜の砂丘植物群落 |
D |
25 |
素浜のネコノシタ |
B・G |
26 |
羽茂のマダケ林 |
F |
27 |
安養寺のブナ林 |
A・H |
28 |
小佐渡北端のスタジイ林 |
A・C |
29 |
片野尾弁天岬のネズ林 |
D |
30 |
小川のシナノキ・エゾ・イタヤ林 |
A・G |
31 |
小木の鬼の力持沢のコモチシダ群落 |
C・G・H |
32 |
田切須のアカガシ林 |
A・G |
7. ドンデン山のハクサンシャクナゲ
9. 杉池のコナラ林
15. 乙和池の湿生植物群落
25. 素浜のネコノシタ