佐渡の地形と自然環境

特徴的な地形と豊かな自然環境

佐渡島はアルファベットの「S」の文字のような特徴的な形をしていて、面積が約855平方キロメートル、海岸線が約280キロメートルもある日本海側で最も大きな離島です。この広さは東京23区や淡路島の約1.5倍に相当します。
標高1,172メートルの金北山(きんぽくさん)をはじめとする大佐渡山地と標高645メートルの大地山(おおじやま)をはじめとする小佐渡山地に挟まれ、穀倉地帯である国中平野が広がっています。
海流(対馬暖流)の影響で、本土よりも夏は涼しく冬は暖かい佐渡島は、四季の変化に富み、豊かで美しい自然環境に恵まれています。
島の大部分が国定公園や県立自然公園に指定されており、日本のトキが最後まで生息した島でもあります。

日本海側最大の島

日本海側最大の島

大佐渡山地と国中平野

大佐渡山地と国中平野

佐渡島のなりたちや佐渡ジオパークについてはこちらでご確認ください。

豊かな植物相

北緯38度線が島の中央を通過している佐渡島は、季節風や海流がもたらす気候によって、1,700種にもおよぶ北方系と南方系の植物が自生し、日本列島の植生の縮図とも言われています。
豊かな植物相が形成されている佐渡島には、希少な花や樹木も多く、大野亀のトビシマカンゾウや大佐渡石名天然杉などは観光スポットとしても人気があります。

大野亀一面に咲く数十万本ものトビシマカンゾウ

大野亀のトビシマカンゾウ

何百年もの歳月をかけて複雑に変形した天然スギ

石名の天然杉

佐渡の固有種

離島である佐渡島には独自の進化をとげた佐渡固有の種および亜種も生息し、佐渡の名前を冠する生物も数多く見られます。さらに島内でも地域によって固有の自然があり、そこにはその環境に依存した様々な生物が生息・生育しています。このような生物は、生息地が破壊されてしまった場合、佐渡そして地球上から絶滅してしまいます。

サドガエル

サドガエル

サドノウサギ

サドノウサギ

サドカケス

サドカケス

サドアザミ

サドアザミ

サドマイマイ

サドマイマイ

サドマイマイカブリ

サドマイマイカブリ

36年ぶりに自然界でトキのヒナが誕生

トキ(Nipponia nippon)は、昭和初期に100羽前後生息していたものの、国の特別天然記念物に指定された1952(昭和27)年には24羽の確認に留まり、1981(昭和56)年に野生のトキが5羽となった時点で、全てが捕獲され、野生絶滅の状態になりました。一方で1990(平成11)年に中国から贈られたトキのペアによる人工繁殖に成功し、飼育下での繁殖は順調に進んでいます。2008(平成20)年9月にはトキ試験放鳥が実現し、その後も継続的に放鳥が行われています。
また、2012(平成24)年には、36年ぶりに自然界でヒナが誕生し、38年ぶりに巣立ちが確認され、佐渡の豊かな自然に飛び立つことができました。2020(令和2)年3月現在、推定で400羽近くのトキが佐渡の大空を飛んでいます。

放鳥されたトキの様子

放鳥されたトキの様子

36年ぶりに自然界で誕生したヒナの様子

36年ぶりに自然界で誕生したヒナの様子

トキの野生復帰とは

佐渡島の生態系において、トキは食物連鎖網の頂点に近い生物です。トキは水田とその周辺環境を主な餌場とし、ドジョウやミミズ、カエルなどを捕食しています。餌生物は水田だけではなく、森林や草地、河川などの生息環境が必要になるため、トキを保護し、野生復帰を実現するということは、棚田を含む里山の生態系を再生させるということなのです。

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