木の上で産卵する、ちょっと変わり者。
産卵期は、モリアオガエルの卵泡で、水辺の木に花が咲いたように見える?ことがあります。
分類 | 両生綱 無尾目 アオガエル科 アオガエル属 |
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分布 | 日本の固有種で、本州と佐渡島に分布する。四国と九州の分布ははっきりしていない。 |
形態 | 体長はオスが42-62mm、メスが59-82mmほどで、メスの方が大きいんです。 指先には丸い吸盤があり、木の上での生活に適応しており、第3指が最も長く、吸盤も大きい。指の間には水かきが発達しています。背中側の地色は緑だが、地方個体群によっては全身に褐色のまだら模様ということも。また、体表にはつやがなく、目の虹彩が赤褐色なのも特徴です。 ひとつの卵の大きさは2.6mmほどであるが、幼生(オタマジャクシ)は全長51mmまで成長し、尾は細くてやや長く、変態したばがりの時期の体長は15-22mm位です。 |
生息地 | 山地で多く見られ、非繁殖期はおもに森林に生息するが、繁殖期の4月から7月にかけては生息地付近の湖沼や水田、湿地に集まる。 冬眠は浅い土中やコケの下で行われる。 |
繁殖 | モリアオガエルは水面上にせり出した木の枝や草の上、地上などに粘液を泡立てて作る泡で包まれた卵塊を産みつける。 メスが産卵場所にやってくるとオスが背中にしがみつき、産卵行動が始まるが、卵塊の形成が進むに連れて1匹のメスに数匹のオスが群がる場合が多い。 産卵・受精が行われると同時に粘液が分泌されるが、この粘液を集まったオスメスが足でかき回し、受精卵を含んだ白い泡の塊を作る。直径10-15 cmほどの泡の塊の中には黄白色の卵が300-800個ほど産みつけられる。泡は表面が乾燥して紙のようなシートとなって黄白色の卵塊となり、孵化するまで卵を守る役割を果たす。 約1週間ほど経って卵が孵化する。孵化したオタマジャクシは泡の塊の中で雨を待ち、雨で溶け崩れる泡の塊とともに下の水面へ次々と落下する。孵化したばかりのオタマジャクシは腹部に卵黄を抱えているため腹が黄色をしているが、やがて卵黄が吸収され、全身が灰褐色となる。 |
鳴き声 | 繁殖期のオスの鳴き声は「カララ・カララ」と鳴いた後、「コロコロ」と鳴く。 オスは咽頭下に単一の鳴嚢をもち、これを膨らませて鳴く。 |
豆知識 | 学名(Rhacophorus arboreus)は「樹上棲の、ボロをまとったもの」という意味。 ニホンアマガエルやシュレーゲルアオガエルと似ているが、モリアオガエルはより大型になる。また、ニホンアマガエルとは目から耳にかけて黒い帯模様がないこと、シュレーゲルアオガエルとは虹彩が赤っぽいことで区別できる。 泡の塊の中に産卵する習性は多くのアオガエル科のカエルで共通しているが、モリアオガエルは産卵場所が目立つ樹上であることもあり、日本本土産のアオガエル科のカエルでは他に泡状の卵塊を形成する種が地中産卵性で小型のシュレーゲルアオガエルしかいないこともあって特に目立った存在となっている。 |