里山の生き物図鑑

アカハライモリ(赤腹井守、赤腹蠑螈)

アカハライモリ(赤腹井守、赤腹蠑螈)

皮膚はザラザラしていて、名前にもあるように赤いお腹が特徴的です。刺激を受けると、体を倒し赤い腹を見せる動きをするけど、驚かないでね。

分類 有尾目 イモリ科 トウヨウイモリ属
分布 本州、四国、九州とその周囲の島嶼に分布する日本の固有種で、当該地域に分布するイモリとしては唯一の種でもあります。島嶼では佐渡島、隠岐諸島、壱岐島、五島列島、大隅諸島まで分布するが、対馬島には分布していません。
形態 全長は10cm前後で、2対4本の短い足と長い尾をもっています。サンショウウオ類と異なり皮膚がザラザラしていて、背中側は黒-茶褐色で腹は赤地に黒の斑点模様になっています。赤みや斑点模様は地域差や個体差があり、ほとんど黒いものや全く斑点が無いもの、逆に背中まで赤いものもいます。フグと同じテトロドトキシンという毒をもち、腹の赤黒の斑点模様は毒をもつことを他の動物に知らせる警戒色になっていると考えられています。陸上で強い物理刺激を受けると横に倒れて体を反らせ、赤い腹を見せる動作を行います。
生息地 水田、池、川の淀みなど流れのない淡水中に生息します。 繁殖期以外は水辺の近くの林や、クズなどの茂る草地の水気の多い枯れ草の下などに潜むことが多いです。 日本産サンショウウオ類は繁殖時期にのみ水辺に留まるものが多いですが、本種の成体は繁殖期以外も水中で生活することが多くあります。ただし雨の日には水から出て移動することもあります。冬は水路の落ち葉の下や水辺近くの石の下などで冬眠します。
繁殖 春になり気温が上昇し始めると、成体が水中に姿を現します。オスがメスの行く先にまわりこみ、紫色の婚姻色を呈した尾を身体の横まで曲げて小刻みにふるわせるなど複雑な求愛行動を行います。このときにオスが分泌するフェロモンをメスが受け入れる態勢になると、メスはオスの後ろについて歩きます。オスの尾に触れる合図を送ると、オスが精子嚢を落としメスが総排出腔から取り込みます。 メスは、寒天質に包まれた受精卵を水中の水草の葉にくるむように1つずつ産卵します。流水に産卵する種類がいるサンショウウオ類に対し、アカハライモリは水たまり、池、川の淀みなど流れの無い止水域で産卵・発生します。卵から孵った幼生はアホロートルのような外鰓(外えら)があり、さらにバランサーという突起をもっています。幼生ははじめのうちは足も生えていませんが、やがて前後の脚が生えてきます。
豆知識 和名の「井守」は、野井戸の中にも生息するので「井戸を守る」に由来するという説や、井は田んぼを意味し、水田に生息することから「田を守る」との意味に由来するという説があります。 名前がヤモリと似ていますが、ヤモリは爬虫類であること、人家の外壁などに生息し一生を通じて水中に入ることがないこと、変態をしないことなどが、イモリとの相違点です。

Wikipedia 転載

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