里山の生き物図鑑

ショウリョウバッタ(精霊蝗虫)

ショウリョウバッタはオスとメスの大きさが極端に違います。また、オスは飛翔する時にチキチキと音を立てるのでチキチキバッタとも呼ばれています。

分類 バッタ目 バッタ科
分布 日本全国に分布しています。
形態 オスの成虫は体長5cm前後で細身ですが、メスの成虫は体長8-9cm、全長(触角の先端から伸ばした後脚の先端まで)は14-18cmほどにも達し、オスよりも体つきががっしりしています。メスは日本に分布するバッタでは最大で、オスとメスの大きさが極端に違うのも特徴です。 頭部が円錐形で斜め上に尖り、その尖った先端に細い紡錘形の触角が2本あります。他のバッタに比べると前後に細長いスマートな体型をしています。体色は周囲の環境に擬態した緑色が多いですが、茶褐色の個体も見られます。また、オス成虫には目立った模様がありませんが、メス成虫は体側を貫くように黒白の縦帯模様が入ることが多いです。 幼虫は成虫とよく似ていますが、幼虫には翅がありません。
生態 成虫が発生するのは梅雨明け頃から晩秋にかけてです。食性は植物食で、主にイネ科植物の葉を食べます。 生息地に踏み入ると、オスの成虫は「キチキチキチッ」と鳴きながら飛行します。これは飛行する際に前後の翅を打ち合わせて発音するためです。メスは殆ど飛びませんが、昼間の高温時に希に飛翔することもあります。幼虫は飛行せず、後脚でピョンピョンと跳躍して逃げます。
生息地 主に背の低いイネ科植物が生えた明るい草原に生息しています。都市部の公園や芝生、河川敷などにも適応していて、日本のバッタ類の中でも比較的よく見られる種類です。
繁殖 卵は翌年5-6月頃に孵化し、幼虫はイネ科植物の葉や双子葉植物の花を食べて急速に成長し、6月中旬から7月の梅雨明けにかけて羽化し、11月頃まで生息します。
豆知識 俗説では、8月の旧盆(精霊祭)の時季になると姿を見せ、精霊流しの精霊船に似ていることから、この名がついたと言われます。また、オスメスの性差が非常に大きく、別の名前が付くくらい違って見えるので「天と地ほども違う」という意味の「霄壤」から、ショウジョウバッタ(霄壤バッタ)とも呼ばれます。 オスは飛ぶときに「チキチキチ……」と音を出すことから「チキチキバッタ」とも呼ばれます。特にメスは捕らえやすく、後脚を揃えて持った際に身体を縦に振る動作をすることから「コメツキバッタ」(米搗バッタ)もしくは「ハタオリバッタ」(機織バッタ)という別名もあります。

wikipedia 転載

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